理想主義と現実主義の狭間「サッカー右翼サッカー左翼」

雑学

はじめに

長年サッカーを見続けていると、だんだんと自分の好みのスタイルというのが出来上がってくる。
それは、自分が応援しているチームの影響だったり、心奪われたゲームがきっかけだったり、人それぞれであろう。
サッカーの歴史を振り返りながら、自分の魂が揺さぶられるものは何か、探してみようではないか。

タイトル:「サッカー右翼サッカー左翼」
著者:西部 謙司
カテゴリー:雑学
発売日:2015/12/17

どんな本なのか

サッカーを右翼的なものと左翼的なものに分類し紐解いていく本である。政治的な思想とは関係ない。

こんな方にオススメ

・これまで数多くのサッカーを観てきた人に。
・サッカーウンチクが好きな人に。
・自分のサッカー観を整理したい人に。

オススメとマトリクス

おすすめチャート解説

・決して難しい文体ではないものの、過去を含め豊富なサッカー知識があるほうが理解しやすい。
・数多くの監督、チーム、試合が語られ、多くの知識を得られるだろう。
・マニアには満足度の高い一冊だろう。

読者層マトリクス解説

・沢山サッカーに触れてきた大人向けであると思う。
・間違いなくコアなファン向けといえるだろう。

感想など

本書は、1978年のワールドカップで優勝したアルゼンチンの監督メノッティの言葉を基に、サッカーを右翼的なものと左翼的なものに分類し紐解いていく。
右翼的だとか左翼的だとか言われると、ちょっと身構えてしまうが政治的な思想とは関係ない。
大雑把にいえば、右翼的なサッカーは現実主義、左翼的なサッカーは理想主義といったところか。

自分がどんなサッカーが好きか、考えながら読み進めると面白いだろう。
数多く紹介される過去のチームから想像を膨らませながら。

きっと多くの人が、攻撃的と分類される左翼的なサッカーが好きなんだろうな思う。
ただ私個人は、案外現実的な右翼的なサッカーが好きなのかもしれない。
イタリアのサッカーが好きだし、シメオネが指揮するアトレティコを見ていて熱くなる事もある。

でもなぁ
ここで左翼的いわれるゼーマン監督のチームは好きなんだよな。

だから、右翼的でも左翼的でも、どっちでもいいんだな、きっと。

じゃあ、観てていて不甲斐ないと感じたり、勝てなくても納得できたりする事があるのは、何でだろう。
多分、ゴールを奪うためにするべき事を、感じれるかどうかなんじゃないかと思った。
じっくり守っているチームでも、一発仕留めてやろうという気概と、その道筋を感じるチームには共感する。

右翼的であれ左翼的であれ、ゴールを奪う事、それを感じるチームが好きなんだと、そんな風に思った。

まとめ

ちょっと小難しい話もあったが、なんだか自分のサッカー観が整理されていく感じがして、とても面白かった。
サッカーウンチクとしても楽しめる様な内容であった。

戦術論とは、ちょっと違う形でサッカーを深く理解できるだろう。
システマティックに傾きすぎていないのも良い。

たまには、こんな本にゆっくりと浸るのも悪くない。

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