淡々と前へ前へ「前だけを見る力」

選手

はじめに

いつだったか見た「激レアさんを連れてきた」に出てきた松本光平選手。
とんでもない出来事の連続を淡々と語る彼と、鋭いツッコミを入れる小峠さん。ヤンゲンのくだりは、めちゃくちゃ笑った。
そんな松本光平選手のこれまでのサッカー人生を本で楽しもうじゃないか。

ほとんど目が見えないんだよな、この人、、、。
でも、そんなこと関係なく、ひとりのサッカー選手として、すごいよ。この人。

タイトル:「前だけを見る力」
著者:松本光平 カテゴリー:選手
発売日:2022/1/27

どんな本なのか

クラブワールドカップに出場した松本光平選手の半生を関係者の証言を交えて語る本である。

こんな方にオススメ

・ひとりのサッカー選手として興味がある人に。
・障がいを持ちながらありながらスポーツを楽しんでいる人に。
・TVで紹介されて気になっている人に。

オススメとマトリクス

おすすめチャート解説

・サッカー選手の半生モノだが、随所に関係者の証言が織り交ぜられ、飽きずに読み進める事ができる。
・次から次へと様々な事が起こるサッカー人生は、それだけで物語として十分興味深い。
・人によっては壮絶とも受け取れる出来事を、あっけらかんに淡々と語られる様は、エンタメとしても最高である。

読者層マトリクス解説

・どんな世代の読者でも楽しめるだろう。
・サッカーの知識が少なくでも面白いと思う。

感想など

いわゆる選手の半生本なのだが、ちょっと違う。
構成を、「サッカーおくのほそ道」なんかで知られる宇都宮徹壱さんが担当され、彼が各章の初めを書き出し、本人の回想、関係者の証言と続いていく。

主観と客観が織り交ざる様な感じである。
それが本書をとても興味深いものにしている。

とんでもないサッカー人生をおくっているなと思うと同時に、クラブ移籍の難しさ、海外でプレーする事の大変さを知る事となる。
そして、もちろん怪我やリハビリの過酷さであったり、障がい者スポーツのあり方であったり。 ひとりのサッカー人生を通じて、色んな課題を感じる人もいる事だろう。

ただ、 本書に悲観的な要素は感じない。
そこが最も大事な事の様に思える。

メンタルというか気の持ちよう。
強いんだけど、穏やかで柔らか。
しなやかなんだけど、まっすぐ。

ポジティブという言葉だけでは表現しきれない様な、こころのあり方みたいなものを感じる。
無理矢理ポジティブではなく、力尽くポジティブではなく、ただただ純粋に前へ前へと進む。

そして、そんな姿に周囲が魅了されていく。つい応援してしまう。つい手助けしてしまう。
たぶん、自分も魅了されてしまった一人なんだろう。

まとめ

TVで見た時から興味はあったのだが、書籍を読むのは、ちょっと躊躇っていた。
押し付けポジティブだったらどうしようと思っていたから。
読み終えてみると、ただの自然体じゃねえかって感じである。
こういう人は強いよ。
そう思えただけでも価値ありの一冊だった。

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