はじめに
イビチャ・オシムがサッカー日本代表を率いていた頃からすでに15年もの歳月が経過している。
いまだに多くの人の心を捉えて離さない智将である。
その言葉は示唆に富み、指標となり、日本サッカーを支えている。
そんなイビチャ・オシムの言葉に触れてみようではないか。
タイトル:「考えよ!」
著者:イビチャ・オシム
カテゴリー:監督
どんな本なのか
イビチャ・オシムによるワールドカップ南アフリカ大会の展望と日本サッカーへの提言をまとめたもの。
こんな方にオススメ
・改めてイビチャ・オシムの言葉に触れてみたい人に。
・ワールドカップ毎に過去を振り返ってみたい人に。
・イビチャ・オシムが監督をしていた時代を知らない若い世代にも。
オススメとマトリクス
おすすめチャート解説
・全体の文章の量としては多くもなく少なくもなくという程度。ひと項目毎に読み進めれば読み難さは感じないと思う。
・ワールドカップ南アフリカ大会前に書かれた本であり、その後の結果と合わせてみても面白い。
・イビチャ・オシムからの提言として何らかの学びがあるだろう。
読者層マトリクス解説
・日本のサッカー文化やメンタリティに対する記述も多く、やや高めの年齢層が楽しめるのではないかと思う。
・サッカーに対する造詣が深くなくとも読める内容である。
感想など
本書は、ワールドカップ南アフリカ大会前に書かれた本であり、前半はワールドカップ南アフリカ大会の展望が書かれている。
結果を知っている現在では、半ば答え合わせ的に読み進めていける。
予言者めいている箇所もあれば、そうでない箇所もあり。
ワールドカップに挑むにあたって、日本代表チームのメンタリティにも言及している。
対戦相手を過小評価せず、リスペクトは必要だが、脅威に感じる必要はないと。
リスペクトの仕方を間違うなとも言っている。
対戦相手の力をノーマルだと考える事がリスペクトであるとしている。
そして本書では、一貫して岡田監督は間違っていないとしている。
ワールドカップ南アフリカ大会前といえば、当時の岡田監督に対して、かなり手厳しい論評があったと思う。
ひょっとしたら意図的に擁護していたのかもしれないのだが。
そういえば、第一期岡田監督時代にも、前任監督だった加茂周さんがこんな事と言っていた。
「おれは岡田の一番の応援者だ」と。
代表監督を経験した者だからこその言葉だったのだろう。
イビチャ・オシムからは様々な学びがある。
ただし、彼の教えを守る事だけが重要ではない気がする。
むしろ、何をどうすればいいかを、その状況により自分で考える事が大事なのだろう。
それは、サッカーだけにあらず、人生においても重要であると。
本書のタイトル「考えよ!」の通りである。
イビチャ・オシムの掲げた日本サッカーの日本化は、まだなされていないだろう。
考えた先には、それがあるだろうか。
まとめ
今回はイビチャ・オシムの「考えよ!」を紹介してきた。
デットマール・クラマー、ハンス・オフトと並ぶ日本サッカー界の師と呼べる人であろう。
いつまでも学びがある。
ただ模倣だけでは、いつまでたっても模倣のままだ。
「考える力」を失うな。
そう自分に言い聞かせよう。
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