はじめに
イビチャ・オシムに関連する書籍は数多くある。
そのほとんどが素晴らしい内容なのだが、それでもまだ彼に関する書籍が発行される。
それだけ求められるという事でもあり、どれだけ言葉にしても足りないのかもしれない。
私もやっぱり手に取ってしまう。
タイトル:「オシムの遺産」
著者:島沢優子
カテゴリー:監督
発売日:203/5/1
どんな本なのか
オシムに関わった様々な人々を通じて、オシムからの学びやエピソードを紐解いていく本である。
こんな方にオススメ
・今でもオシムの人間性に魅力を感じている人に。
・常にサッカーの未来を考え続けている人に。
・サッカーを通じて自身の成長につなげたい人に。
オススメとマトリクス
おすすめチャート解説
・各章ごとに読み切りでもよい。
・トレーニング論ではなく、技術戦術的な内容は少な目である。
・常に学びがあり、満足度が高い。
読者層マトリクス解説
・深い洞察からくる言葉の数々から、やや年齢層高めの人向けと言える。
・一般社会でも通じる普遍的な内容が多いので、コアファンでなくても満足できるだろう。
感想など
オシム関連の書籍は、これまでにどれだけ読んできた事だろう。
今まで読んできた数多くのオシム関連本で十分満足しているはずなのに、それでもまた読まずにはいられない。
何がそんなに人々を魅了するのか?
いまだに上手く表現できない。
だが、とにかく彼の言葉を求めてしまう。
本書は、直接オシムから聞き出した内容ではなく、オシムに関わった人々への取材で構成されている。
そこで披露されるエピソードは、既知の話もあるのだけども、やっぱり引き込まれていく。
立場によって、考える事が違うのが、また面白い。
個人的に興味深かったのは、羽生選手の話だろうか。
オシム日本代表監督に就任した際に、羽生選手は代表に呼ばれた。
もちろんジェフでオシムの下プレーした彼は、日本代表の中にオシムの意図を伝達する役割もあったのだろう。
他のジェフの選手たちも同じかもしれない。
羽生選手は、オシムが日本代表監督を続けて、ワールドカップに出場するとなった場合、ワールドカップメンバーには入らなかっただろうと思っていた様だ。
言わば「つなぎ」の代表選手というわけだが、それでも羽生選手は受け入れる覚悟はあった。
オシムなら「こいつらがいたから今があった」と言ってくれるだろうと。
この本に出てくるのは、選手だけじゃない。
コーチであり、通訳でありといった面々だ。
それぞれの人がそれぞれ立場で、オシムから得たものを還元しようとしている。
そして本書通じて我々も何かを得る事になるだろう。
まとめ
今回は「オシムの遺産」を紹介してきた。
やっぱり読んでしまうオシム本。結局引き込まれしまうから。
書籍だけでも、これほどまでに魅了されるわけだから、実際に関わった人たちは、本当に貴重な経験をしたのだろう。
そう感じれるだけでも読んで良かったと思える一冊である。