はじめに
イタリアサッカーリーグ・セリエAが隆盛を極めた時代を知る人の中には、イタリアサッカーに憧れを抱いている人も多いだろう。
そして、イタリアサッカーの実情を知りたくならないだろうか。
今回紹介するのは、そんなイタリアの少年サッカーに関する本である。
タイトル:「カルチョの休日」
著者:宮崎隆司
カテゴリー:雑学
どんな本なのか
イタリア在住のサッカージャーナリストが、自身のお子様のサッカークラブを軸に、イタリア少年サッカーの実情を語る一冊である。
こんな方にオススメ
・イタリアサッカーが好きな人に。
・お子様がサッカーをプレーしている親御さんに。
・サッカーを指導する人、または指導者を目指している人に。
オススメとマトリクス
おすすめチャート解説
・とても読みやすい一冊である。時折専門用語が出てくるが注釈があるので分かりやすい。
・少年サッカーを取り上げているが、技術・戦術を指導する内容では無い。
・物語としても面白く満足できる本である。
読者層マトリクス解説
・内容的には親世代向けと言える。
・難解な話は無いので、コアファンでなくとも楽しめるであろう。
感想など
1990年代、イタリアサッカーリーグ・セリエAは、世界最高補のリーグと言われていた。
各国のスターが集まる華やかリーグであった。
当時の欧州サッカーファンの方は、今でもイタリアサッカーが好きな人が多いのではないだろうか。
私もそんな一人である。
本書の著者は、イタリアサッカー界の至宝、ロベルト・バッジョを追いかけ、イタリア在住を決めてしまったという情熱の持ち主である。
その行動力に感服してしまう。
そして、イタリアで暮らし、そこでのサッカーに触れ、実感した事を本書に記している。
イタリアは、ワールドカップ優勝4回を誇るサッカー大国である。
そこから、学べる事は多くあると思う。
著者のお子様がプレーするクラブでの実例をもとにした内容となっているので、普通のイタリア少年サッカーを垣間見る事ができる。
イタリアの少年たちは、遊びの中でサッカーが上達していくという。
楽しむということが根底にあるのだろう。
それは、サッカーに限らず人生においても同じ事が言えるのかもしれない。
本書ではイタリア少年サッカークラブの仕組みが細かく説明されている。
試合数の多さや、補欠人数の少なさなど、感心するところがとても多い。
但し、それをそのまま日本に持ち込む事も難しいだろう。
社会の仕組みも教育の仕組みも違うので、さすがに同じとはいかないと思う。
なるべく多くの試合を多くの選手が経験し、楽しみながら、怪我をせず成長させるというエッセンスを取り入れられると良いのだが。
とはいえ、本書の後半に記されているフィオレンティーナの例は、少し事情が違う様だ。
やはり、セリエAの強豪チームの下部組織ともなれば、プロの厳しさが増すのだろう。
プロの厳しさも知り、サッカーの楽しさも知り、そのうえでどの道を選ぶかは、個人に委ねられている、そんな風に感じた。
本書でサッカー大国イタリアの実情を学び、考えさせられる事は多い。
それでいて、気軽に楽しく読める、なかなかの良書だと思う。
まとめ
今回は「カルチョの休日」を紹介してきた。
イタリアサッカー好きはもちもんだが、そうでない人にも手に取ってほしい一冊である。
サッカーをプレーする子も持つ親御さんには特にオススメできると思う。
イタリア少年サッカーの実情を知り、何らかの学びが得られる、そんな本である。