はじめに
ある程度欧州サッカーを観戦してくると、こんな事を感じるのではないだろうか?
レアル・マドリーって勝ちすぎじゃね?
バイエルン・ミュンヘンばっかりブンデスリーガ制覇してるじゃん。
パリSGはビッグネーム獲るよねー。
なんでだろうね?
なんて事を思っているあなた。
そんな方にオススメするのがこちら。
タイトル:「フットボール哲学図鑑」
著者:西部謙司
カテゴリー:雑学
どんな本なのか
欧州フットボールクラブ20チームをいくつかのタイプに分け、それぞれの哲学を考察する本である。
こんな方にオススメ
・とにかく欧州サッカーを観戦するのが好きな人に。
・ひいきのチームをより詳しく知りたい人に。
・古くから欧州サッカーを観戦してきて、改めて歴史を整理したい人に。
・ちょっとウンチクを仕込みたい人に。
オススメとマトリクス
おすすめチャート解説
・図鑑というわりには、ほとんど図がない。また、本書全体としては文書量も多いので、読書習慣の少ない人にとっては読みやすとは言えないと思う。
・但し、紹介しているチーム毎で読んでいくと、読み難さは低減され、とても面白い。
・それぞれのチーム毎の歴史・逸話が学べるだろう。
・欧州サッカー好きは満足できると思う。
読者層マトリクス解説
・趣味として欧州サッカーを観戦する様な人は、年齢問わず楽しめるとは思う。しかしながら、実際のところは、欧州サッカーを観戦する人の年齢層は、やや高めなのだろうと思う。
・各チームの成り立ちや歴史に興味を持つ様な、ある程度サッカーに深く関心を持ってきた人に向いているであろう。
感想など
本書のタイトルは「フットボールクラブ哲学図鑑」となっているが、「哲学図鑑」というより「歴史書」というほうがしっくりくる感じである。
前書きにも似たような事が書かれており、著者はDNAと表現している。
このチームは、こんな歴史背景を持っていいて、今こんなチームになっているといった事が描かれている。
紹介しているのは全部で7タイプ20チーム
「常勝クラブ」
レアル・マドリー、ユヴェントス、バイエルン・ミュンヘン
「ザ哲学クラブ」
バルセロナ、アスレティック・ビルバオ
「港町クラブ」
リヴァプール、ナポリ、マルセイユ
「ライバルクラブ」
インテル×ミラノ、ベンフィカ×ポルト
「成金クラブ」
マンチェスター・シティ、パリSG
「小さな街の大きなクラブ」
ボルシア・ドルトムント×ボルシアMG、ヴィジャレアル、モナコ
「名将クラブ」
マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル
この中で、ひとつでも気になるチームがあれば、本書を読んでみる価値はあるだろう。
レアル・マドリーやバイエルン・ミュンヘンの強さの秘訣が、パリSGがビッグネームを獲得する理由が、垣間見えるではないだろうか。
結構、昔の選手名が出てくるので、ひょっとしたら古くからの欧州サッカーファンのほうが理解が早いのかと思う。
ユヴェントスの項目を例にとると、80年代に、ゾフ、シレア、ジュンティーレ、カブリーニ、、、などと言われ、「誰やねん」と思う人より、「そやった、そやった」と思う人のほうが楽しめるだろう。
当時の選手の配置なんかも文章で書かれているので、それを頭の中でイメージ出来るとより楽しめるだろう。
本書は最初から読む必要はない。
読みたいチームがあれば、そこから読めばいい。むしろ読みたいチームだけを読んでもいいんじゃないかと思う。
最近、欧州サッカーのファンになった人は、ひとつのチームから広げていっても良いだろう。
例えば冨安選手をキッカケにアーセナルを応援し始めたとしよう。
そんな人は、まずはアーセナルの項目だけを読んでみたらどうだろうか。
そこには、かつて名古屋グランパスを指揮した事もあるヴェンゲル監督の就任以降、黄金期を築き上げたアーセナルの物語が描かれている。
それだけでも十分面白いのだが、同じように名将に率いられ黄金期を築いたマンチェスター・ユナイテッドにも興味が沸いてこないだろうか?
そうなれば、欧州サッカーの世界が数珠つなぎで広がってくる。
マンチェスター・ユナイテッドのライバルチェックであるマンチェスター・シティはどうなんだ?
同じように、同じ街のライバル関係であるインテルとミランは?
次々と広がっていき、本書もあっという間に読み終えるのではないだろうか。
まとめ
今回は「フットボールクラブ哲学図鑑」を紹介してきた。
本書を通じて、欧州サッカークラブをより深く知り、より楽しめる様になるでしょう。
コメント