風呂上りの様なスッキリとした読後感「キャプテンマークと銭湯と」

その他

はじめに

サッカーをプレーしてきた人にとって、同じチームの中でこいつには敵わないと感じた事があっただろう。
そんな時、何を思い、どうな行動をしただろうか。
この小説で思い返してみてはどうだろう。

タイトル:「キャプテンマークと銭湯と」
著者:佐藤いつ子
カテゴリー:その他
発売日:2019/3/14

どんな本なのか

ジュニアユース世代のプレイヤーが、キャプテン交代をキッカケに思い悩み成長する物語である。

こんな方にオススメ

・サッカー関連の小説を探していた人に。
・フォーメーション論や戦術論に飽きてきた人に。
・スポーツをする全ての学生に。

オススメとマトリクス

おすすめチャート解説

・読みやすい文章で、難しい漢字にはルビもふってある。
・サッカーにはあまり拘らずとも、物語として楽しめる。
・エンタメのひとつとして満足できる。

読者層マトリクス解説

・サッカーの知識は特に必要なく、誰でも読める。
・主に中学年代向けだろうが、全ての年代で楽しめるだろう。

感想など

この小説を読み終えた後、ある事を思い出した。

それはもう随分と前のことだが、たまたま女子サッカーを見に行く機会があった。
その試合で、ひとり別格のプレーを見せる選手がいた。
フィールドの中央で、味方チームも相手チームも、22人全てを操っているかの様な、特別な存在感を示していた。
数年後テレビを見ていて、その選手の名が宮間あやだと気がついた。
ああ、あの時の、あの娘か。
その数日後には、彼女は世界チャンピオンの一員になっていた。
観客席から、ぼんやり眺めているだけの自分にも感じ取れるぐらいに違いを見せつける選手なら、一緒にプレーしている選手ならもっと強く違いを感じるのだろうか。
どんなスポーツでも、どんな世界であれ、上には上がいると感じる時がある。
こいつには適わない。そう感じる人が出てくる時があるだろう。
その時に、どういう思考をもって、どう対応するかなんだろうな。
そして、支えてくれる何かがあるかなんだろうな。

この小説も、きっと根本は同じようなことなんだと感じた。
上手くいかなくなった時、どうするか。
自分の気持ちを保てるか。
自分の活きる道を探し出せるか。
様々なアスリートの話を聞くと、更にそう思う。

なんなら道は、同じ競技じゃなくても良いんじゃないか。
もっと言えばスポーツでさえなくても良いだろう。

この小説の登場人物を見てると、それぞれの置かれた状況で出来る事を見つけていく事の大切さを改めて感じた。
戦術論だけに拘らない、サッカー関連に書籍として、オススメだと思う。

まとめ

今回は「キャプテンマークと銭湯と」という小説を紹介してきた。
サッカー小説というのは、あるようで、そんなに多くない。
題材としては面白いと思うのだが。
本書は、小中学生の読書感想文の課題になる様な本だが、単純に小説として楽しめる。
学生時代にサッカーをしてきた人にとっても、同じような思いをしてきた事があるんじゃないだろうか。
フォーメーション論や戦術論に飽きてきた方にもオススメだと思う。

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