事実と創作の狭間で進むべき道を考える「アイム・ブルー」

その他

はじめに

ワールドカップの度に、日本代表チームに熱狂し、失望し、喜び、悲しみ、そしていつも思う。
いつか日本代表が、ワールドカップで優勝する日がくるだろうか。
自分が生きているうちに、その日はくるのだろうかと。
でも信じている。いつか、日本代表がワールドカップトロフィーを掲げる日がくることを。
日本代表チームを愛する人に本書を。

タイトル:「アイム・ブルー」
著者:木崎伸也
カテゴリー:その他
発売日:2018/9/28

どんな本なのか

サッカージャーナリストの木崎伸也さんが、ワールドカップに挑むサッカー日本代表チームを題材に真実と創作を織り交ぜ描いた小説である。

こんな方にオススメ

・何はともあれサッカーが大好きという人に。
・読み応えのあるサッカー小説を探している人に。
・日本代表チームを愛し活躍を願う人に。

オススメとマトリクス

おすすめチャート解説

・小説が苦手な人でも楽しめる、極上のエンターテインメントといえるだろう。
・ワールドカップで日本がどう戦うかという戦術的な意味合いでも読み応えがある。
・日本サッカーを愛する全ての人にオススメできると思う。

読者層マトリクス解説

・日本代表チームの内部事情的な話もあるので、やや大人向けかと思う。
・サッカーを深く考えているような、ややコアファン向けだろう。

感想など

物語に引き込まれ、一気に読み切った。
小説というエンターテインメントを存分に楽しめた。

サッカーという題材は小説になりにくいのか、読み応えのあるサッカー小説には、なかなか出会えない。
文章を頭の中で映像化するのが難しいスポーツなのかな。
本書は、フォーメーションやポジションを挿し絵で表していて分かりやすい。
普段、小説を読まない人にも読みやすくなっていると思う。

舞台は2030年ワールドカップ。
本書は2018年ワールドカップ後に発売されており、2018年までの出来事は概ね事実に沿っている。

解説にあるような80%の事実と20%の創作は、ちょっと大袈裟かな。もっと創作が多いイメージです。
とはいえ、日本代表チームの内側は、本当にこうなんじゃないかと思わせるような深みがある。
おそらくそれは、著者である木崎さんの日頃からの取材の積み重ねによるものだろう。

ここで描かれている事が創作であるにせよ、日本代表を強くするには何をすべきか、示唆に富んでいる。
これまでのワールドカップで上手くいったこと上手くいかなかったこと。我々の性格や特性とか。
チームに勢いをもたらすもの、勢いを削ぐもの。
協会のあるべき姿やジャーナリストの姿勢だとか。
我々には、まだまだやるべき事があるはずだ。

だが私が感じるのは、アップダウンをしつつも、上昇傾向ではあるのだろうという事。
このまま、昇ったり下ったりを繰り返しながらも、いつか辿り着けるのではないだろうか。

ワールドカップトロフィーを手にする日に。

まとめ

ひとことで言うと、とにかく面白かった。
小説だからこそ、木崎さんの想いが伝わってくる感じだ。
きっと本気で日本代表チームの事を愛しているのだろう。

自分も、愛情を絶やすことはないだろう。どんなチームであれ、どんな戦術であれ、どんな監督であれ、どんな協会であっても、日本代表チームを応援し続けよう。

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