はじめに
サッカーに限らず、我の強い人は目立つし、注目も集まる事が多い。
ただし、そうではない人も沢山いて、そんな我が強くはない人でもトッププロとして活躍できる。
今回紹介するのは、そんな謙虚で控えめな酒井宏樹選手の本である。
タイトル:「リセットする力」
著者:酒井宏樹
カテゴリー:選手
どんな本なのか
酒井宏樹選手がプロ生活の中で学んだ心を切り替える方法を紹介する本である。
こんな方にオススメ
・何等かのスポーツをやっていて、メンタルの弱さを感じている人に。
・日々プレッシャーを感じながら過ごしている人に。
・酒井宏樹選手の考え方に興味がある人に。
オススメとマトリクス
おすすめチャート解説
・この類の本としては、非常に読みやすく、一気に読み切れると思う。
・主にメンタル面にフォーカスしているので、技術・戦術論的なものはほとんど無い。
・物事の捉え方、考え方において学びとなるであろう。
読者層マトリクス解説
・読みやすい内容なので、高校生年代ぐらいから読めるだろう。
・サッカーに精通していなくても面白いと思う。
感想など
サッカー選手の書籍というと半生を描いたものや技術指導的な内容のものなどがある。
本書は、ビジネス書というか自己啓発書といった内容である。
全体の文章の量は決して多くなく、ひと項目数分で読める事もあり、大変読みやすい。
最初から順番に読む必要も無いので、気になった項目から読んでいけば良いだろう。
酒井宏樹選手のデビュー当時のことだが、いい選手なのだから、もっと堂々とプレーすれば良いのにと何度か思った事がある。
そんな彼が、いつしか日本代表チームの主力となり、ドイツ・フランスで活躍するようになるとは。
人は変われるものだと思っていた。
しかし、本書を読むと劇的に変わったという感じでは無さそうだ。
自らの弱さを認めたうえで、その時々でやれる事を少しずつアップデートしていったという印象である。
これは、多くの日本人プレーヤーが海外で活躍するための方法を示唆していると思う。
日本人としても謙虚で控えめな彼の活躍から学べる事があるだろう。
自分らしさは失わずに、チームと街に順応していく姿には、胸のすく思いがする。
私が個人的に感銘を受けたのは、「住んでいる街に愛情を持つ」というところである。
自分の生まれ育った街の事を、あまりにも知らないという事を、随分と大人になってから気がついた事がある。
他の地域の方に、街の歴史や見どころ・自慢を説明できないというのは、ちょっと恥ずかしいな思った。
私はプロスポーツ選手でも何でもないので、「住んでいる街に愛情を持つ」ことが、サポーターに愛されるわけでは無いのだが、何か心の拠り所として大切なんじゃないかと思った。
本書では、傍から見ても決してメンタルタフネスとは思えない酒井宏樹選手がいかにドイツ・フランスで戦ってきたか。
その秘訣が垣間見れるだろう。
まとめ
今回は酒井宏樹選手の「リセットする力」を紹介してきた。
読書習慣の少ない人にも読みやすく、こういった本から読書にハマるのも良いだろう。
謙虚で控えめ、だが勇敢に戦う酒井宏樹選手の心の持ちようが感じ取れるはずだ。
サッカー本としても自己啓発書としても満足の一冊である。