はじめに
色々な守備戦術を学んできたけど、少し頭を整理したいなと思った事はないだろうか。
あるいは、いったん守備だけを纏めたいと考えた事はないだろうか。
そんな人に紹介するのがこちら。
タイトル:「難しいことはわかりませんが、サッカーの守り方を教えてください」
著者:松田浩
カテゴリー:技術・戦術
どんな本なのか
4-4-2システムのゾーンディフェンスをQ&A形式で解説する本である。
こんな方にオススメ
・守備戦術を頭の中で整理したい人に。
・ゾーンディフェンスを学びたい人に。
・指導者あるいは指導者を目指す人に。
オススメとマトリクス
おすすめチャート解説
・Q&A形式で記載されていて、分かりやすく読みやすい。
・守備戦術に特化した内容となっている。
・守備を学びたい人には満足できると思う。
読者層マトリクス解説
・ジュニアユース世代から指導者世代まで満足できるものだろう。
・ある程度知識のある人のほうが理解が早いのではないだろうか。
感想など
本書は、サンフレッチェ広島などで活躍した松田浩さんによる守備の解説書である。
戦術本としても楽しめるが、指導書としても読めるだろう。
Q&A形式なので、ひと項目毎読んでいける。
内容も、「質問」→「回答」→「解説」の順で進められていて分かりやすい。
ただし、ここで記載されているのは、4-4-2システムのゾーンディフェンスに特化している。
著者の思いとしては、育成年代でゾーンディフェンスの概念を習得する事が、応用の利く選手を生むという信念があるからという事らしい。
やはりゾーンディフェンスの基本は、4-4-2システムにありといったところだろうか。
本書は、説明の言葉が分かりやすいところが良い。
例えば、マンツーマンディフェンスとゾーンディフェンスの違いをこう言っている。
敵の位置でポジションが決まるのがマンツーマン
味方の位置でポジションが決まるのがゾーンディフェンス
ああ、確かにねと。とても分かりやすい。
そして、ゾーンディフェンスは常にボール周辺に数的優位ができるとしている。
ボールが移動したら、味方と連動してスライドしていく。
これを水族館のイワシの群れと例えて表現している。
なかなか面白い例えだと思う。
個人的な思い出だが、90年代初頭のACミランのゾーンディフェンスを見ていて、これは地引網だなと思った記憶がある。
ツートップが地引網の両端を引っ張って、MFとDFの網にボールを捉える。
当時、そんな風に見えていた事を思い出した。
本書は、最後に岩政大樹さんとの対談とゾーンディフェンスのトレーニングメニューをいくつか紹介して終わる。
ここまでゾーンディフェンスに特化した本は、なかなか無いかもしれない。
まとめ
今回は、松田浩さんの著書「詳しいことはわかりませんが、サッカーの守り方を教えてください」を紹介してきた。
ゾーンディフェンスに特化した本書は、分かりやすく、観戦する人にも、指導者にもオススメできる本だと思う。
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