簡潔かつ明瞭なシステム書「サッカーシステム大全」

技術・戦術

はじめに

サッカーってよくシステムで語るけど、正直なところ良く分からん事あるんよなー。
詳しいヤツに聞こうとすると変に上からこられるしね。
なんて思っている方、いますよね。
そんな方にオススメするのがこちら。

タイトル:「サッカーシステム大全」
著者:岩政大樹
カテゴリー:技術・戦術

どんな本なのか

サッカーのシステムを大きく4つに分類して解説する本である。

こんな方にオススメ

・サッカーのシステムをもう少し深く理解したい人に。
・サッカー観戦をより楽しみたい人に。
・難し過ぎない且つ簡単過ぎないシステム解説を探している人に。

オススメとマトリクス

おすすめチャート解説

・タイトル通りのシステム解説本である。難解な表現は少なく、4つの基本形で捉えていて読みやすい。
・単純に配置だけの解説にとどまらず、そこからどう動くか?というところまで記述があるのが良い。
・更に、選手の特徴をどうシステムに落とし込むか?幾つかのチームで例が示されている。
・それぞれのシステムを整理して理解しやすい。

読者層マトリクス解説

・サッカーをシステムで考えられる様になるジュニアユース世代から読める内容でしょう。
・これからサッカーを学びたい人から、改めてシステムを整理して考えたい人まで対応できるのではないか。

感想など

この本の著者は、鹿島アントラーズなどで活躍し、日本代表にも選出されたこともある岩政大樹さんである。
岩政さんの著書は幾つかあるが、分かりやすい説明を心がけてる印象を受ける。(勝手な印象だが。)
少々真面目過ぎるかなとも思う。(いい意味です。)

本書は、システムを4つの基本形で捉えているのが特徴だ。
4つの基本形とは下記の通りである。
1.4バックー2ボランチ
2.4バックー1ボランチ
3.3バックー2ボランチ
4.3バックー1ボランチ

そして、それぞれのシステムの特徴を解説している。
尚且つ、試合の途中で陣形を変える可変システムにも言及している。
各システムの解説には、実際のJリーグチームと選手名を例に出していて、Jリーグ観戦をしている人には分かりやすいだろうし、興味をそそられると思う。

本書を理解するうえで大事になるのが「5人目原則」になるだろう。
ごく大雑把に言うと、4人ではピッチの横幅を守り切れないので、最終ラインを守るときに5人目が必要になる。
5人目の守備をどう入れるかをチームとして決めておく事が大事だという。
但し、必ず5人目の必要と決めつけるのではなく、5人目をつけない場合は、失点のリスクを承知の上でカウンターに人を割くメリットもあるとしているところが、本書の良いところだと思う。

個人的に興味深かったのは、なぜ「4-2-3-1」システムが多くのチームで採用されるか?についてであった。
これも大雑把にまとめると、様々な特徴を持った選手をシステムに落とし込みやすく、個性を活かしやすいという事である。
このことが、シーズンを戦ううえで、柔軟性をもたらし、チームを枠組みを変えずに戦える事となる。
ああ、なるほどと納得した。
確かに、足の速い選手、パスの上手い選手、ボール奪取が得意な選手、それぞれ活きる場所があるなと思った。

最後にセットプレーのシステム解説もあり、試合における状況をほぼ網羅した内容になっている。

手に取ると意外にも薄い本書ですが、内容は決して薄っぺらではない、そう断言できる良書といえるでしょう。

まとめ

本書のあとがきにある様に、指導者や選手だけでなくサポーターにとってもサッカー観戦の手助けになる本だと思う。
簡潔かつ明瞭であり、すべての人に分かりやすいシステム書といえるだろう。

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