食で日本代表を支える「サムライブルーの料理人」

チームスタッフ

はじめに

サッカーの魅力に取りつかれると、様々な事を奥深く知りたくなってくるだろう。
あるいは、サッカーに詳しくなくとも、そのスタッフの仕事ぶりに感銘を受ける事がないだろうか。
今回紹介するのは、そんな方にオススメする本である。

タイトル:「サムライブルーの料理人」
著者:西芳照
カテゴリー:チームスタッフ

どんな本なのか

サッカー日本代表の海外遠征帯同シェフの体験を、主にワールドカップ南アフリカ大会を中心に記した本である。

こんな方にオススメ

・サッカー日本代表チームの裏方の仕事ぶりを垣間見たい人に。
・栄養学やコンディショニングに興味がある人に。
・スポーツが好きで料理人を目指している人に。

オススメとマトリクス

おすすめチャート解説

・難しい表現や難解は言葉は、ほぼ無く読みやすい。
・サッカー日本代表の戦いぶりが裏方の目線で分かる。
・ドキュメンタリー作品としても楽しめて満足できる。

読者層マトリクス解説

・専属シェフというチームの裏方の仕事ぶりを描いている事もあり、やや大人向けといえると思う。
・サッカーに関する専門用語は、ほとんど無いのでコアファンでなくとも楽しめる。

感想など

これは面白かった。一気に読めた。
とうやら私は裏方の仕事に惹かれるみたいだ。

本書は、サッカー日本代表の海外遠征に帯同した専属シェフの体験を綴ったものである。
ここに描かれている事は、2004年から2011年までの出来事だ。

シェフもチームの一員であり、少し離れた位置からチームを見守る人でもある。
そしてシェフも戦っていると思った。

誰かと戦っているという事ではなく。

チームのパフォーマンスを最大限引き上げるために。
食材を確保し、衛生管理をし、栄養のバランスを考える。
食事を通じて、リラックスさせ、チームの和をサポートする。
疲労回復を促し、現地に順応させ、コンディションを維持させる。
そこにシェフとして全力を注いでいる。

本書には、日本代表選手とのちょっとしたやり取りも描いているが、それぞれの個性がでていて面白い。
中村俊輔選手の人柄の良さが垣間見れる。
個人的には、阿部勇樹選手に関する記述が、短いながらも胸にくる。

裏方もチームの一員だと考えていたら、ひとつ思い出した事がある。
それは、ワールドカップフランス大会予選、「ジョホールバルの歓喜」の時である。

延長に入る前、チームは監督・コーチ・控え選手全員で円陣を組む。
そこに、チームスタッフも加わる様に促され、次々と和が大きくなっていく。
あの円陣を見た時は、負ける気がしなかった。
そして延長、岡野さんの(さんざん外しまくった後の)ゴールである。

その時、最後に円陣に加わったのが、当時スタッフ唯一の女性栄養士(だと記憶してる)の方で、少し躊躇いながらも円陣に加わったと後から聞いて涙がでた。

2011年のワールドカップ南アフリカ大会の時も、同じ様にチーム一体となる雰囲気があったのだと思う。
それも含めてチームの強さなのだろう。

まとめ

今回は、「サムライブルーの料理人」を紹介してきた。
個人的に、非常に楽しめる内容であった。
シェフは、食で日本代表を支える、そんな存在だと思った。
様々な人に手に取ってほしい一冊である。

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